• 書籍が刊行されました

    • 研究全体をまとめた書籍が刊行されました(8月28日から店頭に並びます)

    書籍

    学会報告

    1. 「母親の人づきあいと教育態度:家族内外のパーソナルネットワークに着目して」『日本家族社会学会 第27回大会』京都大学(2017年)
    2. 「拡大家族とネットワーク」『日本教育社会学会 第69回大会 課題研究2:格差・不平等研究の今後:教育・家族・階層』一橋大学(2017年)
    3. 「準拠枠としてのネットワークが親の教育態度に与える影響」『日本家族社会学会 第28回大会』中央大学(2018年)』

    学術論文

    1. 「社会意識の形成に対するパーソナルネットワークの影響に関する検討課題:子どもに対する親の教育期待に着目して」『日本女子大学紀要 人間社会学部』27: 23-37.(2017年)
    2. 「母親の人づきあいと教育態度:家族内外のパーソナルネットワークに着目して」『日本女子大学紀要 人間社会学部』28: 35-45.(2018年)
    3. 「母親の高学歴志向の形成に対するパーソナルネットワークの影響:家族内外のネットワークに着目して」『家族社会学研究』30(1): 85-97.(2018)
    4. 「母親のパーソナルネットワークが子育て環境に及ぼす機能:サポート資源と準拠枠」『日本女子大学紀要 人間社会学部』29: 17-30.(2019年)
  • 調査終了のお知らせ

    • 2016~2018年に実施された「女性の人づき合いと子育て観に関する調査」は2018年度末に終了しました。ご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。
    • 事前にお知らせしました通り、皆様のお名前とご住所の記載された名簿は完全に消去いたしました。今後、こちらからご連絡することは一切ございません。

  • 結果の概要2

    第2弾として、「1.子どもの進路を考える際に参考にした人」「2.教育観」「3.子どもの将来に望むこと」「4.子育てや人生を振り返って」の結果をご紹介します。

    1.子どもの進路を考える際に参考にした人

    • 親を参考にする人はおよそ半分くらいです。大きな差ではありませんが、自分の母を参考にする人が若干多く、夫の親を参考にする人が若干少ない傾向がみられます。

    • きょうだいの場合は相手による差が大きくみられます。自分の姉妹は親と同じくらい参考にされていますが、兄弟の場合は少し少なく4割くらい、夫のきょうだいはそれより少なく、3割以下となっています。また、自分の場合も夫の場合も、兄弟より姉妹を参考にする人が多くなっています。

    • 家族以外の人を参考にする割合は、全体に家族より高く、6割から7割になっています。また、前回に示した「子どもについて話す話題」の結果にも表れていましたが、学生時代の友人は、将来の進路に関して頼りにされる傾向のあることがわかります。

    2.教育観

    • 子どもに高い教育を望んだり、成功に学歴が必要だと考える人が7~8割に達しています。学校教育の重要性を感じている方が多いと思われます。
    • ただし、公立学校は信頼できると考える人は少なく、4割に満たない状況です。大半の人は公立学校に不満や不安を感じているのだと思われます。
    • なお、回答者の方の年齢、働き方(「専業主婦」「パートタイム」「フルタイム」「自営・家族従業」)、子どもの性別(「女子のみ」「男子のみ」「男女とも」)との関連を調べてみましたが、次の1点をのぞいて関連がみられませんでした。

    2.教育観(公立学校への信頼×働き方)

    • 回答者の方の属性によって教育観に違いがみられたのは、「公立学校への信頼」と働き方の関連でした。
    • 「公立学校は信頼できる」という回答は、専業主婦では少なく、フルタイムでは多くなっています。学校との関わりが多いと考えられる方ほど、逆に信頼感は低いという結果になっています。

    3.子どもの将来に望むこと

    • 自分のやりたい仕事につき、楽しく暮らしてほしいという回答が大多数を占めています。また、社会的成功より家庭を優先する生き方を望む人も7割に達しています。子どもには、地位達成や社会的成功よりも、精神的に充実した人生を送るよう求めていると言えるでしょうか。

    • 達成することの中では、自分と同等以上の学歴を望む人が最も多く7割に達します。また、高収入の仕事を望む人も4割近くいます。上記の通り、内的な充実を求めつつも、学歴や収入を求める方も少なくないことがわかります。なお、スポーツや芸術など、いわゆる勉強とは別の分野で活躍することを望む人も4割に達しています。

    • 子どもの将来についても、6項目すべてについて、年齢・働き方・子どもの性別との関連をそれぞれ調べてみましたが、次の1点をのぞいて違いがみられませんでした。

    3.子どもの将来に望むこと(成功より家庭×子どもの性別)

    • 違いがみられたのは、「社会的な成功より家庭を優先してほしい」の回答率で、子どもが女子のみの場合に、肯定的な回答が少なくなっています。
    • これは質問の意味が子どもの性別によって異なることを意味しているように思われます。つまり、女子に関しては社会的な活躍を望み、男子に関しては仕事ばかりでなく家庭も大切にして欲しいという気持ちが表れている可能性があります。
    • ただし、差はそれほど大きくなものではなく、女子に対しても肯定的回答な回答が過半数に達しています。

    4.子育てや人生を振り返って

    • 子育てには苦労も多いが、よい人間関係にめぐまれ、世の中には信頼できる人が多く、幸せな人生だと考える人も高いことがわかります。

    • 一方、子育てが上手くいっているという回答については、肯定的回答が半数を超えているものの、「そう思う」という強い肯定は少なくなっています。まだ子育て途上であり、上手くいっていてるかどうか判断できないという面もあるでしょうし、良い面も悪い面もあるから、上手くいっているとは言い切れないという面もあるということではないかと思われます。

    • これらの項目についても、年齢・働き方・子どもの性別との関連を調べてみましたが、全体的にあまり違いはなく、関連があったのは以下の2点に限られました。

    4.子育てや人生を振り返って(苦労×働き方)

    • 専業主婦・パート・自営では8~9割の方が、子育てには苦労が多いと答えています。
    • これに比べると、フルタイムでは回答率が少し低くなっています。仕事と子育ての両立には大きな負担があると思われますが、仕事から充実感を得られることや子育てから一時的に解放される面もあることを反映しているのかもしれません。ただし、フルタイムの場合でも、苦労が多いという回答が6割以上に達しています。
    • 他の属性による違いはみられないことからも、大多数の方が苦労を感じていることがわかります。

    4.子育てや人生を振り返って(信頼×年齢)

    • 世の中には信頼できる人が多いと考える人は、40歳以下の若年層でやや少なく、40代前半ではやや多いという傾向がみられました。
    • 小中学生の親世代の中核が40代前半であることから、子どもの学校を通じた人間関係の充実によって、人々に対する信頼感が高まるのかもしれません。
  • 結果の概要1

    第1弾として、「子どもについて話す話題」の結果をご紹介します。

    家族との会話(夫と親)

    • 誰と話すかにかかわらず、「学校・友人」「塾・習い事」「しつけ」「進学先」「職業」の順に多いことがわかります。この傾向は、相手が家族かどうかにかかわらず、全体に共通しています。
    • 話し相手としては、夫が一番多く選ばれており、自分の母親が二番目になります。「学校・友人」「塾・習い事」に関しては、自分の父親より夫の母親に話す人の方が多くなっています。
    • 全体に、父親より母親、夫の親より自分の親に話す人が多いと言えます。

    家族との会話(兄弟姉妹)

    • 全体の傾向は先ほどと同様ですが、2つの結果を見比べると、きょうだいには夫や親ほど子どもの話をしないことがわかります。
    • 兄弟よりも姉妹、夫よりも自分のきょうだいに話す傾向がみられます。
    • 親の結果と合わせると、自分の家族か夫の家族かという違いより、相手の性別による違いが大きいようです。夫をのぞくと、男性より女性の家族によく話すと言えます。

    家族以外との会話

    • 家族以外との会話は、話す話題によって傾向が異なるので、話題ごとに集計しています。
    • なお、話し相手として選ばれるのは、ママ友が6割と圧倒的に多く、職場の関係者と学生時代の友人が15%前後、近所の人は5%となっています。
    • 「学校・友人」「塾・習い事」についてはママ友、「進学先」「職業」については学生時代の友人に話す人が多いです。
    • 学生時代の友人は近くに住んでいない場合も多く、話す頻度も少ない傾向にありますが、将来の進路について頼りにされているというのは興味深い結果です。
  • 調査対象の抽出方法

     「クジ引きのような方法で選んだということですが、具体的にどのように選んだのですか」、というご質問がありました。
     確かに、1つの市区町村でも数万人や数十万人もいるわけですから、どのように偶然に選ばれたのか不思議に感じる方がおられるのも、もっともだと思います。そこで、具体的な抽出の手続きについてご説明することにいたしました。少し面倒ですが、興味のある方は、どうぞご覧ください。

    住民基本台帳の一部の閲覧について

     平成18年11月1日から施行された住民基本台帳法の一部を改正する法律により、住民基本台帳の閲覧は制限されており、誰もが自由に閲覧できるわけではありません。ただし、学術調査など公益性の高いと考えられる目的の場合には、申請により閲覧の許可される場合があります(住民基本台帳法第11条2)。今回は、この規定にしたがい、調査票のサンプルと大学の部局長による許可書などを添えて、お住まいの市区町村に申請を行いました。各自治体では、この申請書に基づいて審議を行い、閲覧の可否を判断します。ちなみに、この手続きによって閲覧可能となるのは、氏名、住所、生年月日、性別の4項目のみとなります。台帳の掲載方法は自治体によって異なりますが、今回の対象地域では、台帳が世帯毎に掲載されています。

    具体的な抽出手続き1:地点の抽出

     はじめに、調査の目的に沿って、対象とするエリアを決めます。今回は、自治体の公表している人口などの情報を用いて、市街地、住宅地、混在地などを選びました。住む場所の環境によって、人々の人間関係や子育ての様子が異なると考えられるからです。次に、各エリアの人口規模に応じて、それぞれのエリアから抽出する地点の数を決定し、その数に応じて対象とする地点を抽出します。

     

     わかりやすくするため、人口10万人のエリアから5地点(町丁)を選ぶ場合を例に説明します。以下の手続きによって、すべての地点が、その人口規模に応じて、同じ確率で偶然に選ばれることになります。

     

    1. すべての町丁について、人口規模に応じて1~10万までの連番を振ります。たとえば、A地点が5000人、B地点が3000人だとすれば、A地点には1~5000、B地点には5001~8000の連番を割り当てます(以下同様)。
    2. 次に最初の地点を選びます。10万人から5地点を選ぶので、1から2万(20,000=100,000÷5)までの数字の中から、乱数表で数字を1つ選びます。仮に「7578」という数字が出た場合、この例ではB地点が最初の地点となります。
    3. 2番目の地点は、最初の数に2万を足した数字の含まれる地点を選びます。以下同様に5番目の地点まで選びます。

    具体的な抽出手続き2:対象者の抽出

     地点が決まったら、次にそれぞれの地点から対象となる方を選びます。今回の調査では、1地点あたり15人の方を選ぶように設計しています。そこで、地点を選ぶ場合と同じように、乱数表を用いて対象となる方を各地点から15人ずつ選びました。この手続きによって、各地点に居住するすべての方のなかから、同じ確率で偶然に、調査の対象となる方を選んでいます。

    1. 上記のB地点の例で説明します。3000人の居住するB地点から15人の方を選ぶので、はじめに、1から200(200=3000÷15)の中から乱数表で最初の番号を選びます。仮に「103」という数字が出たら、B地点の台帳の103番目に記載されている方が最初の対象者として選ばれます。ただし、その方が小中学生の居住する世帯の女性でなかった場合には、該当者が選ばれるまで、104番目、105番目…と、たどっていきます。
    2. 以下同様に、2人目の対象者は303番目、3人目は503番目…、最後の方は2903番目の方からたどって選んでいくことになります。

     

     このような抽出の手続きを「無作為抽出」と呼びます。無作為抽出によって調査対象の方を選ぶことによって、調査対象となったエリア全体に住む方の特徴を、推測することができます。

     

     

    以上をご理解の上、ぜひ調査にご協力いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
     

  • 調査の目的

    調査の内容と目的

     この調査は、小中学生の子どもと暮らす女性の皆さんが、家族や親戚を含めた周囲の方々とどのように交流され、そのことがお子さんの教育に関する考え方や態度とどう関連しているのかについて研究することを目的に、国の助成を受けて行うものです。

     調査の結果から、母親のおかれている現状を明らかにすることによって、教育格差の是正など、より良い教育環境の整備に役立てることを目指しています。

     結果の概要は、集計が終わりしだい、このホームページで公開する予定です。

    調査をお願いする方

     小中学生の子どもと暮らす、主に30代~50代の女性の方に、調査へのご協力をお願いしています。対象となる方は、個人情報保護法にしたがい、お住まいの自治体の許可を受けて、住民基本台帳から選びました。個人情報保護には十分に配慮しておりますので、ご協力をお願いいたします。

  • Q&A

    Q. この調査をしているのは誰ですか?

    A. 日本女子大学 人間社会学部教育学科 荒牧研究室です。

     文部科学省所管の独立行政法人 日本学術振興会の科学研究費による公的助成を受けて調査を行っています(科学研究費補助金基盤研究(C):課題番号15K04367)。

    Q. なぜこのようなアンケートが必要なのですか?

    A.子育て支援策や教育格差の解消に役立てるためです。

     日本では、子育ての負担が母親にばかり重くのしかかっていると指摘されていますが、その詳細については、これまで十分に研究されていませんでした。この調査では、子どもの教育に対する考え方について、母親の人間関係をふまえたうで社会的な格差との関連を学術的に把握することを目的としています。これらについて詳しく調べることによって、母親のおかれている現状を明らかにし、潜在的な支援ニーズや、教育格差を軽減するために必要な政策について、有益な情報を提供できると考えています。

    Q. 個人のプライバシーは守られますか?

    A. 個人情報の保護に万全の体制でのぞみます。

     回答者の皆様のプライバシーを守ることが、最も重要なことだと認識しております。次の2つの方法でプライバシーの保護に万全を尽くします。

     

    (1)あなた様のお名前・ご住所など個人を特定できるような情報は、調査票には一切記載しません(調査票にはお名前などを記載しないようご注意ください)。

     

    (2)調査のために使用した個人情報は、調査終了まで厳正に管理した後、すみやかに破棄されます(情報の管理と破棄について、お住まいの市区町村との誓約書を交わしています)。

     

    個人情報が記録に残ることは一切ございませんので、ご安心ください。

    Q. なぜ私が選ばれたのですか? 別の者が答えてもいいですか?

    A. 科学的な方法で選出されています。ご本人様がご回答ください。

     調査結果から人々について偏りなく正確な情報を得るため、科学的な社会調査では、無作為抽出法というクジ引きに似た方法を採用します。この方法によって、今回はあなた様が偶然に選ばれました。実際に誰が選ばれるかは全く偶然に決まりますが、科学的な推論を正しく行うためには、必ず選ばれた方自身に回答していただく必要があります。たとえご家族の方でも、選ばれたご本人とは別の方が回答された場合は無効になってしまいますので、必ずご本人様がご回答ください。

    Q. 答えたくない質問には答えなくてもいいですか?

    A. どうしても無理な場合は、飛ばして次の質問に移ってください。

     どの質問も大切なので、できるだけすべての質問にお答えいただきたいのですが、決して回答を強要するものではありません。どうしても答えたくないものは飛ばして、次の質問に移ってください。

    Q. 調査に協力する義務はありますか?

    A. 義務ではありませんが、ご協力いただければ幸いです。

     協力するかどうかは、もちろんご自由にご判断いただけますが、ご回答いただけない方がいると、情報が偏ってしまい全体像を正しく把握できません。できるだけ正確な調査結果を公表して、教育環境の整備に役立てるため、一人でも多くの方にご協力いただければ幸いです。